購入した衣類が6掛けで1万円以下だったのに、関税を請求されてしまったというお客様がいました。
衣類を輸入する場合に発生する関税を決める際には、とてもルールが多いので、
特にアパレル系の商品をアメリカから日本へ送る予定の方は、
事前に関税のルールを理解した上で輸入する事を強くオススメします!
利益が予定していたよりも少ない。商品をお客様に直接アメリカから送った際に、
関税が高すぎて受け取り拒否をされた。。。と散々な目にあってからでは遅いですからね。。
衣類の関税率算出のルールが非常に多い!
まずは、衣類の関税率はどのようにして決められるのかを理解する必要があります。
一つの大切な線引きとしては、輸入する総額が20万円を超えるか超えないか。
これによって適用される税率が、簡易税率なのかそれとも一般税率なのかが概ね決まります。
簡易税率=個人使用目的
一般税率=商用目的
日本における個人輸入の場合、20万円を超えるかどうかは、適用される関税率の判断材料の一つになります。ただし、20万円以下の場合でも商用目的と判断されることもあり、その際には簡易税率ではなく一般税率が適用される場合があります。
そのため、商品総額に対しての税金比率が大きく異なってきます。
▶関税のルールに関してのBeHappy!!!ブログ:個人輸入に必要な関税の計算方法はこちら
※20万円は個人輸入と商用輸入を分ける目安ですが、すべてのケースで絶対的な基準ではありませんので、輸入前に税関に直接ご確認する事をお勧めします。
簡易税率の関税について
簡易税率を適用する場合には、5%もしくは10%の関税率となります。
簡易税率に関しての算出方法は、シンプルで以下3点の情報から関税率を見ることができます。
①商品が編物(Knit)か織物(Woven)か?
織物(Woven)とは?
たて糸とよこ糸の2本の糸を使い、アナログな機械(はた)で織られた布地のこと。織り機という機械を使用して、縦糸と横糸を交互に通すことで、布を織り上げます。織り方には、平織、綾織、組紐織、柔織、絣織など様々な種類があり、それぞれ独特の風合いや柄を持ちます。織物は強度が高く、通気性がよく、柔らかい素材もあります。
<主な製品例>
デニム
カシミヤなど
編物(Knit)とは?
たて糸やよこ糸という概念はなく、1本の糸を使用し、編み棒を使用して人の手で編まれたり、機械によって編まれた布地のことです。中でもニット製品は、伸縮性があるため着脱がしやすく、柔らかく軽い肌触りが特徴的です。また、編み方のパターンによって、様々なテキスタイルや編物アイテムが作られています。縫い目が少ないため、縫込みによるあきやほつれ、縫い糸のほつれなどの問題が起こりにくく、手作業でも簡単に編めるため、手芸やファッションアイテムの制作などにも利用されています。
<主な製品例>
Tシャツ(カットソー)
トレーナー
ニットトップス全般(ニットカーディガン、ニットプルオーバーなど)
手袋
靴下
タイツ
ニット帽子
マフラーなどのルックウエア
※6掛けで1万円以下の場合、織り製品は免税となりますが、編み製品の場合は、ほぼ免税対象外となります。
同じカテゴリでも税率は最低1%以上も変わってきてしまいます。。。
衣類の関税率の例外について
ブラジャー、ガードル、コルセット、サスペンダー等の女性用下着は織物(Woven)であっても、謎に編物(Knit)として分類されてしまいますので、関税は高めになりますので注意が必要です。
②商品は新品か?中古品か?
新品の方が関税は高くなります。
③商品は経済連携協定を受けている国で作られたものか?
経済連携協定というのは、EAPという機構に参加している国同士での自由貿易を認めている制度の事を言います。ここに加入している国で製造された商品の一部は、加入している国同士でお互いの関税を撤廃しています。
この税金の撤廃対象の中に、衣類も含まれているので下記にあるEAPで生産された商品を仕入れる事が出来れば、現状支払っている関税より低く商品を仕入れる事が出来ますね。
関税率を知るためには、税関のサイトに書かれている『対象の類』を確認しましょう。
新品の衣類は、61類と62類に分類され、中古の衣類は63類になります。
経済連携協定について
経済連携協定は、複数の国や地域が、貿易や投資、サービスなどの経済関係を強化し、自由な取引を促進するために結んだ協定のことを指します。通常は、貿易上の障壁を取り払い、関税の引き下げや貿易自由化を図ったり、投資の自由化や知的財産権の保護などを規定したりします。これによって、加盟国や地域の経済発展が促進され、企業や消費者の自由な活動が奨励されます。現在では、世界各国で経済連携協定が結ばれており、国際間の経済関係を促進する役割を果たしています。
一般税率の関税について
一般税率が適用される場合には、税関で分類されている『対象の類』によって関税率が
異なりますが、ほとんどが5%~12%の範囲で収まる事が一般的です。
上記にあるように、一般税率を見るには、簡易税率よりも複雑になってきます。
事前に下記の6つのポイントを調べれば大体の税率を事前に把握する事が出来ます。
①商品が編物(Knit)か織物(Woven)か?
簡易税率の説明より参照して下さい。
ちなみに、、、パーカー(Hoodie)を一般税率で算出した場合結果は下記です。
織物(Woven):関税率9.1%
編物(Knit) :関税率10.9%
②素材
材質によっても税率は変わってきます。
動物から採取して作られたもの?それとも人工的に作られたもの?
大きくはこの2点でまずは分類されますが、その後更に細分化され、正直ややこしいです。。。
③男性用か女性用か?
男性用と女性用でも税率が異なる場合があります。
④生産された国
簡易税率の説明より参照して下さい。
⑤刺繍があるかないか?
衣服にプリントではなく刺繍が入っている事で税率が変わります。どんなに小さなワンポイントでも、入っていたらかわります。
⑥使用目的
商品の使用目的になります。例)販売用など
衣類の関連率まとめ
衣類を輸入する際に関税率を抑えたいという方へ
ポイントは、、、
①1度の仕入れ商品合計を20万円以下にすること。
※簡易税率が適用されます。
②商材を選ぶ際に、6掛けで1万円以下(※16,666円)そして、織り製品を探す事。
※これによって関税は免税となります。